
一眼レフカメラにフェミニンな趣向と軽量性をとりいれた「女子カメラ」が日本で売れているそうですね。その流行りが海を越えNYに伝播したのか、女流写真家をとりあげた写真展がMoMAで開かれ、170年の写真史を辿りながら、彼女たちの力作が紹介されていました。
写真の黎明期から、すでに女性が活躍していたのをご存知ですか?英国ビクトリア朝の肖像画写真を残したジュリア・マーガレット・カメロンは、娘からカメラを贈られ、写真を始めたのは48歳の頃。ピントがずれて荒削りな面もあったようですが、型にはまらない自由な描写は、今もなお多くのファンを魅了しています。
マルセル・デュシャンらが活躍した20世紀初頭。マン・レイから写真を学んだベレニス・アボットと言えば、NY上空からマンハッタンの夜景を撮った写真が有名。ウジェーヌ・アジェのパリの街角写真を掘り起こしたことでも知られています。コンテンポラリーアート全盛期、女性アーティストが続々と進出してきた80年代に目を向けると、シンディー・シャーマンの名が挙げられます。映画の『スチール写真』で脚光を浴びた彼女は、様々な発想と技法でセルフポートレイトを撮り続けています。
90年代ではオランダのリネケ・ダイクストラも見逃せません。今回の写真展では、ボスニアの一人の少女を被写体に、思春期を経て母親になるまでの11年を追いかけた11枚の写真が展示されていました。赤ん坊を抱きかかえ、カメラに向けた柔らかな表情。同性だからこそ、心を許せた瞬間かもしれませんね。この先、どんな女流写真家が歴史を作っていくのか、同じ女性として本当に楽しみです。