この冬、ニューヨーク近代美術館(通称MoMA)にてバウハウスの展示会が開かれています。バウハウスといえば、かつてドイツのワイマールに校舎を構えた美術・建築学校。1919年の設立後、ナチス主導によりわずか14年間で閉校に追いやられましたが、その精神は途切れることなく現代にまで受け継がれ、合理主義的・機能主義的な芸術の潮流を作りました。その流れ自体がバウハウスとも呼ばれています。
MoMAの展示会場をまわると、至る所でバウハウスの息吹が感じられます。写真界ではハンガリー出身のモホリ=ナジ・ラースローが第一人者。彼が活躍した1920年代は写真へのアプローチが激変した時代で、芸術家たちが新しいビジョンを求めて先を競っていました。1839年を起源とする写真の創成期以降、草分け的存在と言えるモホリ=ナジ。「フォトモンタージュ」「フォトグラム」といった技法の生みの親でもあります。
20世紀前半、写真において世界あちこちで革新の動きがあったようです。俯瞰や仰角を用いたロシアのアレクサンダー・ロドチェンコ、「ソラリゼーション」「レイヨグラフ」の技法を駆使した米国のマン・レイといった芸術家たちが数々の名作を残しています。
別コーナーで開かれていた合同展「ニュー・フォトグラフィー」も覗いてみました。現在、最も注目を集めている若手アーティスト6人。1970~80年代の生まれである彼らの作品には、抽象やコラージュといった伝統技法も取り入れられ、デジタルやカラーの違いはあるものの、モホリ=ナジの作品に通じるものを感じました。バウハウスの精神は、脈々と受け継がれているのですね。