街のすみずみにまでアートが息づくニューヨーク。数多あるギャラリーや美術館はもちろん、地下鉄の駅へ潜ると壁一面に描かれたモザイク画が目に入り、公園にはベンチに座る人物の彫刻や、イサム・ノグチの作品などもひっそりと佇んでいたりする。路上では似顔絵を描いて商売にする画家を発見。陽気なパフォーマンスを繰り広げるアーティストもいました。キース・ヘリングで有名なグラフィディのように、落書きですら認められ輝きを放つ壁面のアートは、芸術志向の高いニューヨークならではの光景でしょう。
言ってみれば、どんなものでもアートになり得る可能性を秘めているのでしょう。ニューヨークで始まった「アートブリッジ」という試みもその例に漏れず、街のそこかしこで騒音を放つ建築現場に着目したプロジェクトです。その舵取り役を務めるロドニー・ドーソが言うには「パッと閃いたんだ。足場の羽目板は、まさにキャンバスだってね」このプロジェクトは彼を中心に進められ、建築現場の足場に使われる「羽目板」をキャンバスに若手アーティストたちが作品を描き、公共のアートとして街ゆく人の目を惹いているのです。
作品を見ると、イラストレーションや写真、現代美術にみられる複合アートなど実に多彩。若手のアーティストにとって、群衆の目につく公共の場に作品を発表できるのは腕を磨く絶好の機会です。広告ポスターが単調に並ぶなか、建築現場をアートに魅せる斬新な発想がニューヨーカーにも好評のようです。街の散策がより楽しくなるアートブリッジの試み。ドーソの閃きが街全体をパッと明るく照らしています。